多系統萎縮症のリハビリマッサージ
難病指定疾患の一つに多系統萎縮症と呼ばれるものがあります。
多系統萎縮症とは
✔ オリーブ橋小脳萎縮症
✔ 線条体黒質変性症
✔ シャイドレーガー症候群
という3つの病名を総称したものをいいます。 それぞれ原因は不明で、特異的な治療法も確立されていないため、対症療法が行われています。 現場にて一番多い事例は、歩きにくさ、ふるえやすくみ足、などが出現し病院を受診するもパーキンソン病ではないと診断されたりして 結局、あらゆる検査や病院を受診してパーキンソン症候群と診断されたり、多系統萎縮症と診断されたりするという事が多いです。 多系統萎縮症の症状としては、障害部位によって
✔ 小脳症状
✔ 自律神経症状
✔ 錐体外路症状
が現れます。
多系萎縮症の小脳症状とは
✔ 運動失調
✔ 歩行障害
✔ 言語障害
などが起こります。 現場にては、初期症状は少なく年数を経るごとに症状が顕著になっていきます。 実際の患者さんは、ある程度症状が進むと歩きにくいために日常の運動量が減り 筋力低下がある段階が顕著になるため、出来る限り、ただマッサージなどをするだけではなく 姿勢不良や筋肉の弱化を防ぎながらリハビリや体幹トレーニングなどの運動療法を出来る方には組み込んでいきます。
多系統萎縮症の自律神経症状
✔ 起立性低血圧
✔ 排尿障害便秘
✔ インポテンツ
などがあります。 多系統萎縮症の自律神経症状がきつい場合は、活力が低下し、動き出す時点で(寝起きや起立時)低血圧によるめまいを起こしたり 踏ん張りがきかなくなってくるなどの症状が現れたりします。 いずれにせよ、転倒のリスクが高まるため、鍼灸やマッサージなどで自律神経を緩和しながら 軽い体幹エクササイズを行いつつ、起立時の踏ん張りや姿勢保持力を維持していく必要があります。
錐体外路症状としては
✔ パーキンソニズムと呼ばれる振戦(ふるえ)
✔ 筋固縮、寡動・無動(小幅になるすくみ足)
✔ 姿勢反射障害を呈する特有の運動障害(特有の前傾姿勢や傾きなど)
などが出現します。 この多系統萎縮症(パーキンソン症候群)は 3つの症状が複雑に絡みあうために、患者さんにそれぞれ合わせたリハビリやマッサージがとても重要になります。
多系統萎縮症(パーキンソン症候群)のリハビリマッサージまとめ
- 小脳症状の運動失調や歩行障害に対しては歩行訓練、運動療法、体幹訓練を行う必要があります。
- 自律神経症状に対しては交感神経の緊張を緩和するために適宜、鍼灸・指圧・マッサージなどを行う必要があります。
- 錐体外路症状に対する筋固縮に対してのマッサージ、筋力低下・転倒・けが予防に対して筋力訓練を行う必要があります。
いずれにせよ複合的に症状が絡みあうため本当に良くなりたいのに、
✔ ただマッサージをするだけ
✔ とりあえず歩くだけ
では本質的に生活の質が改善していくことはありません。 多系統萎縮症のリハビリマッサージは以上のことを踏まえて選ばれると良いかとおもいます。 あなたが良い治療家に出会えることを切に願っています。