脳梗塞のリハビリで行われる作業療法とは?種類や方法を詳しく解説!

脳梗塞の後遺症でこのような不安をかかえていませんか?

「この先ずっと自分の思い通りに手足が動かせないのか」
「もう仕事には復帰できないかもしれない」
「今後、外出や趣味が楽しめなくなるのでは、、、」

脳梗塞は脳の血管がつまることによって起こるため、脳梗塞は脳に大きなダメージを与え、高い確率で後遺症が残ります。後遺症が残ると、身体が言うことをきかなくなる、食事が上手くできなくなる、触覚や痛覚などの感覚がにぶくなるなど、日常生活に支障をきたします。

しかし後遺症が残ったからといって、今後の仕事や趣味をあきらめる必要はありません。脳梗塞の発症後は、早期にリハビリを始めることによって、社会復帰へとつながっていくのです。

リハビリの中には『作業療法』があります作業療法は、作業を中心に治療・指導・援助を受けながら社会復帰を目指していくものです。ライフスタイルに合わせた訓練を続けることで、仕事や趣味がまた始められるかもしれませんよ。

この記事では、作業療法について詳しく解説しています。ぜひ今後のリハビリの参考にしてください。

 

作業療法って何?

作業とは、家事・仕事・食事・入浴など日常生活すべての活動のことを指します。

作業療法は、身体障害や精神障害によって制限されてしまった日常生活の動作を、作業をとおして治療・指導・援助を受け改善させていくものです。

作業療法の目的は、基本的動作能力・応用動作能力・社会適応能力を回復させることです。手芸、工芸、絵画、音楽など、ライフスタイルに合わせて様々な生活動作を訓練し、社会復帰を目指します。

 

病気を発症してからの時期によって作業療法の内容が変わっていく

作業療法は、病気を発症してすぐ、症状が安定してきた時期、自立していく時期によって内容が変わっていきます。

時期 作業療法の内容
急性期
(病気の発症から2週間~1ヶ月)
基本的動作能力の回復
(運動、感覚、精神、認知、筋力回復など)
回復期
(病気の発症から1ヶ月~6か月)
応用動作能力の回復
(衣服の着脱、食事、トイレ、散歩など日常生活の練習)
維持期
(病気の発症から6ヵ月~)
社会適応能力の回復
(職業訓練・趣味の訓練・交通機関の指導など)
病気の発症から回復するまでの期間は個人差がありますので、必ずしも上記のとおりではありません。経過を見ながら作業療法を進めていきましょう。

 

作業療法を早期に始めるメリットとは?

作業療法は脳梗塞発症後、早期に始めることに意味があります。作業療法を早期に始めるメリットは以下の2つです。

  1. 廃用症候群を防げる
  2. 早期の社会復帰につながる

メリット1:廃用症候群を防げる

脳梗塞の発症後は安静にする必要がありますが、長期間安静を続けると廃用症候群になる恐れがあります。

廃用症候群とは「生活不活発病」とも呼ばれ、寝たきりの状態が長く続くことによって、身体に様々な障害が発生することをいいます。例えば、運動機能の低下・循環器障害・自律神経障害・精神障害・床ずれなどです。

早期に作業療法をスタートし、身体を動かすことによって、廃用症候群を防ぐことができるのです。

 

メリット2:早期の社会復帰につながる

作業療法を早くスタートすることで、早期の社会復帰につながります。脳梗塞発症後の神経回復メカニズムについては、まだ詳しく解明されていませんが、早期に作業療法を開始すると、その後の回復で格段に良い結果がでることが明らかになっています。

早期に作業療法を始めることで、発症前にあった体力を維持できますし、精神面の回復も早まるでしょう。その分社会復帰に向けての訓練を、スムーズに進めることができるのです。

逆に考えると作業療法のスタートが遅いと、その分回復が遅くなり、予後の経過が悪くなる恐れがあるということです。

 

 

脳梗塞のリハビリではどんな作業療法をするの?

作業療法は、なんの病気を治療するかによって内容が違います。脳梗塞のリハビリではどんな作業療法をするのでしょうか。

脳梗塞のリハビリで行われるの作業療法は以下の4項目があります。

【脳梗塞のリハビリで行われる作業療法】

  1. 機能的作業療法
  2. 高次脳機能訓練
  3. 心理的作業療法
  4. 職業前訓練

 

①機能的作業療法

機能的作業療法は、主に身体の機能を回復させる目的で行われます。本人のライフスタイルに合わせた作業も取り入れられます。

関節可動域訓練

脳梗塞の後遺症によって麻痺した手・腕・肩・脚をそのまま放っておくと、どんどん関節が硬くなり、筋肉の伸張性が低下していきます。そのため脳梗塞を発症後は、できるだけ早い段階で、関節を動かす訓練をしなければなりません。

発症から初期の段階では、他動的に関節を動かしていきます。その後サンディングボードを使ったリーチ訓練(バランストレーニング)や、棒体操(身体の柔軟性を高める)などを行い、少しずづ自分で関節を動かすための訓練に移行していきます。

ファシリテーション

ファシリテーションは、運動能力の改善に効果的です。ファシリテーションとは、「促通(困難や障害から解放される)」という意味で、筋に積極的に刺激を与え、様々な感覚刺激が入ることで、脳の神経活動を促通します。

訓練をくりかえすことで、脳は筋の緊張と運動のコントロールを覚え、正常な感覚を取り戻していきます。

筋力増強訓練

身体の麻痺などによって筋力が低下している場合は、筋力増強訓練を行います。訓練は、スケーターボード、ポータブルスプリングバランサーなどの器具を使ったトレーニングや、木工、金工、絵画などの作業を行います。

利き手が麻痺している場合には、利き手を交換する訓練もしなければなりません。

 

②高次脳機能訓練

脳梗塞で脳が大きなダメージを受けたことによって、認知機能が低下することがあります。高次脳機能訓練は、手工芸やパズルなどの作業をとおして、認知力・思考能力・注意力・判断力・記憶力などを鍛えます。

 

③心理的作業療法

脳梗塞で後遺症が残った場合、様々な精神症状がおこることがあります。例えば、抑うつ、強い不安、意欲の低下、記憶障害、妄想などです。

心理的作業療法では、手工芸やペーパーフラワー、絵画など、本人が興味をもつ作業を積極的に取り入れます。楽しく作業することで気晴らしになり、精神症状の改善につながるのです。

 

④職業前訓練

職場復帰ができる年齢で、リハビリの経過が良い場合には、職場復帰に向けて訓練が必要です。職業訓練では、作業能力・学習能力・注意力・問題解決能力を評価し、交通機関の指導も受けます。

職業前訓練を終えたら、障害者職業センターや障害者能力開発校などを利用し、職場復帰を目指しましょう

 

 

作業療法はどんな保険が使えるの?

作業療法を含むリハビリサービスを受けるにあたって、どんな保険が使えるのかは気になるところですよね。

脳梗塞のリハビリでは、介護保険が優先的に使われ、発症してすぐの頃や介護保険対象外の場合には医療保険が適応になります。介護保険か医療保険を使えれば、自己負担額が1割~3割で済みますので、家計への負担が少なくて済みますね。

介護保険の限度を超えたり、発症してから180日が過ぎた場合には、リハビリ費用は全額自己負担です。ただし医師の指示があり、改善の見込みがある場合は、自己負担ではなく医療保険が使えます。

以下のフローチャートにまとめましたので、参考にしてくださいね。

 

 

すずき訪問マッサージでは作業療法を含むリハビリサービスを提供しています

当院では、通院リハビリが困難な方のために、訪問リハビリマッサージという形で、作業療法を含めたリハビリサービスを提供しています。

***当院で作業療法を受けるメリット***

  • 硬くなった関節や筋肉に動きを与えることで、姿勢が改善され、歩行が安定する
  • 筋力の維持・強化・麻痺の回復によって自立した健康を目指せる
  • コミュニケーションの機会が増え、脳が活性化する
  • 床ずれの予防ができる

作業療法以外にも、あんま・マッサージ・指圧の有資格者による、医療マッサージや指圧、鍼灸などを行っています。患者さん一人ひとりの症状に合わせた施術で、無理なく自立した健康を目指します。

脳梗塞の後遺症では気分の落ち込みや抑うつなど、精神面に影響がでることもあります。達成しやすい目標を設定して、ステップを一つずつクリアし、身体の回復を実感することで前向きな気持ちになれますよ。

 

すずき訪問マッサージと他店との違い

 

まとめ

この記事では、脳梗塞のリハビリで行われる作業療法について解説しましたが、いががでしたか。

脳梗塞で後遺症が残ると、身体が自由に動かせなくなる、感覚がにぶくなるなど、今まで通りに日常生活を送ることが難しくなります。しかし、早期にリハビリをスタートさせることで、元の日常生活を取り戻せるかもしれません。

作業療法は、身体障害や精神障害によって困難になってしまった日常生活を、一人ひとりのライフスタイルに関連した作業をとおして、改善していくリハビリ方法です。以下に脳梗塞のリハビリで行われる作業療法についてまとめました。

【脳梗塞のリハビリで行われる作業療法のまとめ】

  • 作業療法は基本的動作能力・応用動作能力・社会適応能力の回復を目的として行われる
  • 脳梗塞発症後からの時期によって作業療法の内容がかわる
  • 作業療法早期に始めることで、廃用症候群を防ぐ、早期に社会復帰できるといったメリットがある
  • 脳梗塞の作業療法には機能的作業療法・高次脳機能訓練・心理的作業療法・職業前訓練の項目がある
  • 脳梗塞の作業療法では介護保険が優先的に使われ、発症してすぐの頃や介護保険の対象ではない場合、医療保険が適応となる

すずき訪問マッサージでも、作業療法を含めたリハビリサービスを提供しており、機能訓練・医療マッサージ・指圧・鍼灸など色々な方法で、自立した健康に向けて全力でサポートさせて頂きます。

患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせた施術内容で、職場復帰や楽しい趣味など、きっと明るい未来を取り戻せますよ。

脳梗塞を発症したら作業療法を早期から始めることが重要です。作業療法を早くスタートさせ、一日でも早い社会復帰を目指しましょう。

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