脳梗塞後遺症の歩行の回復リハビリと寝たきり予防について

脳梗塞後遺症におけるリハビリで

片マヒの歩行障害は運動麻痺と知覚障害に加え認知的な問題を反映したもので、高齢者の方においては、姿勢や骨関節系の問題も少なからず併せ持っているということが多いです。さらには、筋肉の弱化による廃用の合併や脳梗塞発症後に習得された代償的な姿勢制御も加わり、異常歩行の原因は複雑な障害構造を呈していると考えられます。そこで在宅でのリハビリマッサージの対策を考える場合、それぞれの問題に分類してリハビリマッサージにて改善可能な要素をみきわめることが重要です。

ここでははじめに、片麻痺の異常歩行の背景にある姿勢制御の特徴を示し、歩行障害との関連性についてまとめてみます。

さらに、歩行習得を妨げるとおもわれる他の要因についても触れ、寝たきりを防ぐ本来目指すべき在宅リハビリマッサージの方向性を提示していきたいと思います。

脳梗塞における片麻痺姿勢制御の特徴

✔ 重りを釣り合わせるような平衡反応が優位になっている。

✔ 非麻痺側(健側)でバランスをとるため、側方への運動が前後方向に置き換えられやすい

✔ 運動の制御が困難になっている

✔ 運動の中心軸が正中軸(カラダの中心ライン)からずれている

✔ 支持基底面での重心移動は小さくなる(歩幅が小さくなる等)

✔ 立位では、非麻痺側の足部に対し骨盤を後退させて体幹と前後に重量を振り分けた姿勢をとりやすい

脳梗塞の麻痺による姿勢不良と骨関節系と筋肉弱化による廃用の問題

脳梗塞後の麻痺に併存しやすい骨関節系の問題には、

✔ 疼痛を伴う筋力低下

✔ 麻痺後の拘縮や関節の変形による可動域制限

✔ 麻痺や緊張のバランスの崩れによる不安定性

などがあげられます。これらの存在は、不良姿勢の原因となり、分節的な運動学習の制限因子となります。高齢者の方においては脳梗塞の麻痺以上に大きな問題になることも少なくありません。これらの問題を併存しているケースでは、麻痺が起きる以前に獲得されていた代償動作が存在することを考慮して、その改善に努める必要があります。

とりわけ、疼痛回避の反応が含まれる場合、疼痛を取り除きつつ疼痛を起こさない範囲で運動を誘導していくことを同時並行でおこなっていく必要があります。また麻痺による足関節の拘縮がきつい場合は時により装具を用いて支持性を獲得した状態でリハビリを行っていく必要があります。

脳梗塞の麻痺による筋肉の弱化による廃用性の問題は、脳梗塞後の意識障害やリハビリの介入の遅れたケースに合併します。歩行障害の要因となる下肢筋力とバランス低下が問題となりますが、そのほか、心肺機能に問題を有するケースでは、運動負荷の制限から回復は遅延しやすい場合があります。しかし、脳梗塞後の麻痺による筋肉弱化の廃用性の問題は、確実に回復する要素であり、継続的な対応と予防に努めることが重要です。

脳梗塞の麻痺に対する在宅でのリハビリマッサージの方向性

片麻痺特有の姿勢制御や代償動作を放置することは、筋緊張の不均衡を助長することに繋がります。動作パターンは開始時の姿勢緊張によって決定するため、リハビリマッサージでは、少しでも低緊張にある筋群の活動を促通し、能動的な活動を通して気付きを促しながら修正をはかるべきなのです。
また、片麻痺の歩行障害に対する介入では、単関節や半身の機能障害としてではなく、全身的問題としてとらえ、改善可能な要素を動作分析しながらすすめることが重要となります。


移動を前提とした安定性の獲得、すなわち健側をより強くしていくリハビリではなく、マヒ側の弱化している筋肉を使えるように活性化し

歩行も脳梗塞で起こるマヒ特有のぶん回し歩行ではなく、足裏、足首、股関節にしっかりと体重が乗せて歩けるようにしていく必要があると考えます。

何年リハビリしてもマヒ側の足が地面につける事ができない、マヒや歩行が改善しないという方はいつでもお気軽にご連絡ください

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